洋ゲー不法集会2K8

今までのULCPCの流れをぶったぎりまして今日は9/19のイベント「洋ゲー不法集会2K8」内容の記載。友人に誘われるままに参加したのでその記録が以下。CEDECなどと違いアカデミックアカデミックした物じゃなく、憶えているものを書いただけなので私の脳内願望も混じってしまってるかも。

洋ゲー世界大戦勃発!!

洋ゲーの主要ゲームジャンルはFPS(一人称視点シューティング)。FPSが発展したアメリカは戦時国であるという背景がある。

  • 世界で最初のFPSウルフェンシュタイン3D(SFC)
    • とらわれた兵士がナチスの兵士を殺して脱出するゲーム。
    • 製作者はジョン・カーマック(プログラマ)、ジョン・ロメロ(ゲームデザイナー)。「ゲーム界の藤子不二夫」と呼んでいた。
    • 日本ではナチスの亡霊など設定が変更された。
    • ヨーロッパでは発売禁止になった(※ドイツでは鉤十字の使用は法律で禁止されている)
  • ウルフェンシュタイン3Dの製作者の次作はDOOM
    • コロンバイン高校銃乱射事件をきっかけにかなり有名になった。
    • 二人の高校生がDOOMを所持し、事件直前までプレイしていた。
    • FBIが家宅捜査の際に、テレビの前でDOOMを提示したことが有名になったきっかけになり、ゲームバッシングが発生。

FPSは売れるジャンルとしても評価されることになった。

  • Soldier of Fortune (PS2、PC、Xbox)
    • 傭兵専門雑誌「Soldier of Fortune」を題材にしたFPS
    • インタビューにこたえたさまざまな戦場の実情、表現を忠実に再現した。
    • あまりに忠実に再現しすぎ誇張表現がそのまま入った(浅草でヤクザと戦闘を行うステージが入ったのはこのためか? 高層ビルの窓に提灯がぶら下がっている)
    • Xbox360版ではより戦場の表現が強くなりリアル色が強くなった。
  • America’s Army (PC、Xbox)
    • アメリカ陸軍が兵士リクルートのために製作した無料のFPSゲーム
    • アメリカ陸軍訓練を体験することができ、訓練後ネット対戦をすることができる。
    • ゲーム中で高成績をおさめているプレイヤーにはアメリカ陸軍から「軍隊に歓迎する」と案内が届く。
    • 開発はUBI Soft。
    • E3イベント会場にはアメリカ陸軍もブースを設けアピールしていて異様な雰囲気だった。
    • アメリカ国内でもこのソフトの意義について反発の声は大きい(※税金を投入することなどか?)
    • この頃からFPS(ゲーム)は兵士訓練の道具としての価値があると判断されはじめた(ゲームが事件に影響を与えたと国が暗に認めていることになる)

今後も多くのFPSが発売され人気がある。
FPSの世界観はアメリカが正義でその時の戦争相手を悪と表現するため、それらの国々からは非常に反発されている。9.11事件以降、基本の世界観はテロリストの撲滅。戦争はテロリストが始める→テロリストを殺すことで戦争が起きない。という流れ。

  • Under Ash / Under Siege (PC)
    • Under Siegeは徹底抗戦の意味。イスラエル軍と戦う若者がインティファーダをおこなうもので、戦車や兵士に石を投げて戦う。
    • アラブ パレスチナ自治区の開発スタッフによる反イスラエルFPS
    • アラブ国内でのみ発売されている(場内で少年がこのゲームをプレイするニュース映像が流れた)。アラブ国内ではすごく人気になった。
    • モスク内での銃撃戦や、怪我人を救急車に運ぶミッションなども。
  • ゲームが代理戦争の道具として使われている
    • ゲームの意味からズレている。
    • ここにあるのはFPSのダークサイド。
    • 韓国・中国でも反日modが沢山作られている。満州事変をテーマにしたもの、攻めてくる日本兵を地雷で吹き飛ばすだけのもの、など。(※何のゲーム用modかは失念)
    • 洋ゲーは日本にローカライズされることも多くなってきたが、政治的なイデオロギーがゲームに流入してくるさまを知っておかなければならない。
    • 今度発売されるコールオブデューティは敵として日本兵が登場する。FPSの背景を知っておいてほしい。

ノーモアヒーローズの残酷描写について

  • ノーモアヒローズの主人公は侍。とくに黒澤映画の侍のオマージュ。(※殺陣で血が吹き出る表現を最初に行ったのは黒澤映画)
  • だから切るときはざっくりいく、血も豪快に吹き出なければ意味がない。
  • 国内版について「そのまま表現できないのはもどかしくもあるけれど、レーティングに合わせて演出を変えるのも作っていて楽しい。意味合いを変えずに表現だけを変えるんです。だから血の色を緑にするとかじゃダメなんです」
  • Xbox360なら国内でもそのまま出せるんじゃない?」という発言に須田氏固まる。(※もしかして期待してもいい?)

洋ゲーと日本のゲームの違いは何か?

  • 海外はビデオゲーム、日本はあくまで玩具として独自路線を発展してきた違いがある。だからどこに一番の開発目標を置くことができるか明確な違いがでる。
  • 洋ゲーはスピードが出るデカいアメ車。日本は同じようにアメ車を作るのではなく、日本車のようなゲームを作ればいいのでは。
  • 日本は資金の調達もできないし、洋ゲーのスタイルで勝負しても意味なし。もっと技術とかデザインの分野で勝負するべき。
  • 海外でFPSが作られている時、日本では「脳トレ」を作っていた。
  • でもそういう日本の現状が良いか悪いかは別として、ものづくりの精神でいいゲームを作っていく。

今後認識されるのは洋ゲーでも日本ゲーでもなく個のゲーム

  • 日本のゲームも海外展開を考えるのが前提となる現在では、洋ゲーというくくり自体があまり意味がないのではないか
  • 世界にはジャパンアニメーションは駄目な物という認識。ジブリアニメはジブリが凄いのであってジャパンアニメーションが凄いわけではない。
  • ゲームでも同じ、洋ゲーや日本ゲーが凄いのではなく個々の会社のゲームが凄い、と評価されるようになってきている。
  • 「グランドセフトオート」シリーズはアメリカのゲームと思われがちだか、製作者はイギリス・スコットランドの会社。つまり英国紳士たちが作った。グランドセフトオートはイギリスから見たアメリカの姿を映したブラックジョークのゲーム。日本人にはここがなかなか理解されない。
  • UBIの新作「プリンスオブペルシャ」は見事に日本のアニメチックなゲーム表現。海外開発者が実現できるなら日本人はなにをすればいいのか?
  • 「ミラーズエッジ」。3Dでスーパーマリオのようなベルトアクションを行うゲーム。製作はカナダスタッフ。
  • その他マレーシア、モントリオールなど世界中のスタッフがアメリカ市場向けに作っている。
  • ゲームは映画を超えた、音楽も超えた。今後必ず多くの人が表現にゲームを使うようになる。
  • 個人にもAppStoreやXboxLiveコミュニティゲームなど販売できるチャンス、市場が開拓され始めている。企業開発者はこれらの人と競争をする時代になる。「俺たち生き残れるの?」というどよめき。
  • 世界に向けたからといっても自分たち日本人のデザインを行えばよい。世界は広いので自分たちの物が売れる場所が必ず見つかる。

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